本文へスキップ

お知らせファミリーヒストリーの調べ方』


 【家訓作成編】
 17章  時代とともに変わる家訓(1)


 私自身、ファミリーヒストリーを調べてみて感じているのは、戦前と戦後とで家族のあり方が大きく変わったということです。

 私の家の場合、確実なところで戦国末期、確証がないながらも伝承ベースでは平安末期までさかのぼることができました。

 それをみると、鎌倉、南北朝、室町、戦国、江戸、明治、大正、昭和(戦前期)と時代は変わりましたが、家族のあり方に関しては、この1000年近く、そんなに変化はなかったように思います。

 つまり、家族が食べていくための家業があって、その家業を維持するために家族みんなでがんばってきた、という歴史でした。この部分については、武家にしても、商家にしても、農家にしても、あまり変わっていないなという感じです。

 それが、戦後、大きく変わりました。大家族から核家族、ひいては個人の時代へ、という変化です。多くの家で家業がなくなり、一代限りのサラリーマン家庭が社会の主流となりました。我が家なんかはその典型で、ちょうど終戦の直前に家業をたたみ、戦後はサラリーマン家庭になりました。

 これは、世間ではあまり言われていないことですが、社会史上、極めて大きな変化であって、「家族」は激動の時代に入ったと思います。

 この変化については、本が何冊も書けるほどいろいろ語ることができるのでしょうが、ここでは、家訓に絞って考えていきましょう。

 家族のあり方が変われば、当然、家訓も変わります。

 昔から伝わる家訓、たとえば、武家の家訓、商家の家訓には、個人的な生き方というよりも、家業を守っていくための心構えといった色彩のものが多いです。

 とくに、商家の家訓ではこれが顕著です。たとえば、三井財閥の三井家にのこる家訓(三井家では「家憲」と言っています)には、

 ・商売は見切り時の大切なるを覚悟すべし
 ・長崎に出て外国と商売取引すべし

といった項目があります。

 これらは個人的な生き方の指針というより、家業に関するもの、なかば「社訓」と言ってもいいでしょう。

 ただこれが時代を超えて通用するのも、家業があってのことであって、それがなくなれば、その意味も失われてしまいます。

 と考えれば、これからの時代の家訓は、家業に関するものから個人の生き方に関するものへとシフトしていくことになるでしょう。家族のあり方の変化に伴って、家訓も変わらざるをえなくなっているのです。

 これから家訓をのこそうと考えている場合、この点は押さえておかねばなりません。


 参考)ファミリーヒストリーづくりに役立つ本−家訓編一覧


前のページ 次のページへ



  スポンサーリンク
 


 ◆『ファミリーヒストリーの調べ方』 目次
 

  はじめに ファミリーヒストリー調査はここまでと割り切ればそれほど難しくない
  1章   ファミリーヒストリーとは何か
  2章   どこで割り切るか−目標の設定
 【家系図作成編】
  3章   戸籍を取る
  4章   墓碑銘を調べる
  5章   同時に戒名を記録しておく
  6章   代行業者に委託する際のポイント(上)
  7章   代行業者に委託する際のポイント(中)
  8章   代行業者に委託する際のポイント(下)
 【家伝記作成編】
  9章   兵籍簿を取り寄せる−戦争体験を残す一級史料
  10章    軍歴照会の方法
  11章    所属部隊の情報を調べる
  12章    親族にヒアリングする際のコツ
  13章    街は家族の生活の舞台、その成り立ちを知る
  14章    家伝記はデジタルデータで作ろう
  15章    目次を考えて、実際に書いてみよう
 【家訓作成編】
  16章   家訓はそもそも必要か(1)
       家訓はそもそも必要か(2)
       家訓はそもそも必要か(3)
       家訓はそもそも必要か(4)
  17章   時代とともに変わる家訓(1)

 【ファミリーヒストリーづくりに役立つ本】
       家訓編一覧

 【調べてみたらこうなった−家族史づくりの意外な効果編】
  その1   歴史が妙に身近に思えてくる(前)
       歴史が妙に身近に思えてくる(後)
  その2   多様な歴史観を持てるようになる(上)
       多様な歴史観を持てるようになる(中)
       多様な歴史観を持てるようになる(下)

   以降随時追加更新