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お知らせファミリーヒストリーの調べ方』


 【家訓作成編】
 16章  家訓はそもそも必要か(2)


 現代においては家訓の意味も多様化しているようです。

 通信教育大手のベネッセコーポレーションが2010年に行った家訓に関する調査があります。

 「家訓」がない家庭は7割、「必要ない」も6割(ベネッセコーポレーション)

 この調査によると、家訓があると答えた家庭が3割でした。これを多いと見るか、少ないと見るかですが、私の率直な感想としては、「ずいぶん多いんだな」という感じです。家族や一族の中で有名人のいる家庭はそれほどはないだろうといった考えからです。

 と思って、実際の「家訓」の内容を見ると、昔ながらの家訓のイメージとはかなり異なっています

 ・うそをつかない
 ・あいさつはきちんとする
 ・食べ物は粗末にしない

など、子どもに対するしつけとも言えるものがほとんどでした。

 まあ考えてみれば、家訓は子孫に対する教えですから、しつけの延長線上にあるものと言えます。しいて言えば、しつけは子ども時代に限定されるのに対し、家訓は大人にもあてはまる生き方の指針となるもの、といったところでしょう。

 実際、簡単な言葉でも子孫にこれだけは守ってもらいたいといった思いのこもった家訓はあります。

 その一例が、幕末から明治にかけて活躍し、三菱財閥を創った岩崎弥太郎の母親、美和が晩年に書き残した手記に書かれた7カ条の家訓です(岩崎家ではこれを「訓戒」と言っています)。

 ・天の道に背かないこと
 ・子に苦労をかけないこと
 ・他人の中傷に耳をかさないこと
 ・家を大事にすること
 ・健康な時に油断しないこと
 ・貧しい時のことを忘れないこと
 ・日々忍耐の心を忘れずに暮らすこと

 岩崎弥太郎は若い頃、貧しくて苦労したのですが、維新後は成功し、巨万の冨を得ます。しかしながら、母親は子どもたちに、決して貧しい時のことを忘れないように、と諭していたのです。

 岩崎美和は、2010年放送のNHK大河ドラマ『龍馬伝』で、倍賞美津子さんが演じていましたので、ご記憶にある方も多いでしょう。

 そのドラマで描かれていたように、子どもを暖かく見守りながらも、言うべき事はきちんと言う、美和はそんな“おっかさん”だったようです。

参考)ファミリーヒストリーづくりに役立つ本−家訓編一覧


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 ◆『ファミリーヒストリーの調べ方』 目次
 

  はじめに ファミリーヒストリー調査はここまでと割り切ればそれほど難しくない
  1章   ファミリーヒストリーとは何か
  2章   どこで割り切るか−目標の設定
 【家系図作成編】
  3章   戸籍を取る
  4章   墓碑銘を調べる
  5章   同時に戒名を記録しておく
  6章   代行業者に委託する際のポイント(上)
  7章   代行業者に委託する際のポイント(中)
  8章   代行業者に委託する際のポイント(下)
 【家伝記作成編】
  9章   兵籍簿を取り寄せる−戦争体験を残す一級史料
  10章    軍歴照会の方法
  11章    所属部隊の情報を調べる
  12章    親族にヒアリングする際のコツ
  13章    街は家族の生活の舞台、その成り立ちを知る
  14章    家伝記はデジタルデータで作ろう
  15章    目次を考えて、実際に書いてみよう
 【家訓作成編】
  16章   家訓はそもそも必要か(1)
       家訓はそもそも必要か(2)
       家訓はそもそも必要か(3)
       家訓はそもそも必要か(4)
  17章   時代とともに変わる家訓(1)

 【ファミリーヒストリーづくりに役立つ本】
       家訓編一覧

 【調べてみたらこうなった−家族史づくりの意外な効果編】
  その1   歴史が妙に身近に思えてくる(前)
       歴史が妙に身近に思えてくる(後)
  その2   多様な歴史観を持てるようになる(上)
       多様な歴史観を持てるようになる(中)
       多様な歴史観を持てるようになる(下)

   以降随時追加更新