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お知らせファミリーヒストリーの調べ方』

 【家系図作成編】
 4章  墓碑銘を調べる



 戸籍調査を補完するものとして、墓碑銘の調査があります。特に、古い戸籍が取れなかった場合には墓碑銘に頼る部分が大きくなります。

 実は、除籍簿には保管期間の問題があります。

 2010年まで除籍簿の保管期間は80年でした。それが改正されて、今は150年となったのですが、「80年時代」に除籍簿が捨てられてしまっていると、当然、それ以前の除籍謄本はありません。時代にすれば、昭和の初期より前のものです。

 これは除籍簿を実際に保管している役所によって対応が異なっています。

 法で定められているのは、保管する義務のある期間だけで、廃棄の義務が明記されていた訳ではなかったため、「年限が来たから捨てよう」と考えた役所と、「わざわざ捨てる必要はない」と考えた役所で、対応が分かれたのです。

 私の場合、父方の先祖の本籍地のある盛岡市役所では、「年限が来たから捨てよう」と考えたようで、取得できた最も古い戸籍は、昭和9年に隠居届出をして除籍となった曾祖父の安太郎のものでした。

 それでも安太郎は元治元年(1864年)の生まれで、ぎりぎり江戸時代にかかった人なので、そこまででも明治維新からの家系図は作れるのですが、これでは、(戸籍に記載されている安太郎の父母の分まで含めて)四代しかさかのぼれません。

墓碑 ただ、幸いなことに、盛岡の親戚の家に墓碑銘に基づく家系図が一枚残されていたため、さらに一代さかのぼり、江戸後期を生きた五代前の先祖までたどることができました。

 昭和の末に、古くて小さな墓石(個人ごとの墓石だった)を整理し、まとめて新しい墓を建てたのですが、その際、各墓碑銘に基づく家系図を作っていたのです。

 ちょっと機転を利かせて作った、たった一枚の手書きの紙きれでしたが、これが大きな意味を持つこととなったわけです。

 もうひとつ、戸籍ではわからない事実が墓碑銘で判明することがあります。若くて夭折した子の存在です。

 私の祖父は四郎といいますが、その名の通り、四男です。ただ、曾祖父、安太郎の戸籍には、四郎は四男と確かに記載されているのですが、二男の記載だけが一切なく、三番目の男子となっていました。これを墓碑銘に基づく家系図と照合すると、二男は清造といって、明治27年に四歳で亡くなっていたのです。

 明治時代には、若くして亡くなる子が非常に多かったようですが、戸籍では書き換えの際などにこうした子の記載を省略することがままあったようです。こうした事例も墓碑銘でしかわからない事実です。

 逆に、墓碑銘からでは、戦前まではよくみられた養子縁組による親子関係がわかりません。また、嫁や婿として家を出ていった子どもの存在もわかりません。

 そのため、戸籍と墓碑銘を組み合わせて相互に補完、照合しながら、家系図を作っていくことが望ましいと言えます。

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  ◆『ファミリーヒストリーの調べ方』 目次

   はじめに ファミリーヒストリー調査はここまでと割り切ればそれほど難しくない
   1章   ファミリーヒストリーとは何か
   2章   どこで割り切るか−目標の設定
  【家系図作成編】
   3章   戸籍を取る
   4章   墓碑銘を調べる
   5章   同時に戒名を記録しておく
   6章   代行業者に委託する際のポイント(上)
   7章   代行業者に委託する際のポイント(中)
   8章   代行業者に委託する際のポイント(下)
  【家伝記作成編】
   9章   兵籍簿を取り寄せる−戦争体験を残す一級史料
   10章   軍歴照会の方法
   11章   所属部隊の情報を調べる
   12章   親族にヒアリングする際のコツ
   13章   街は家族の生活の舞台、その成り立ちを知る
   14章   家伝記はデジタルデータで作ろう
   15章   目次を考えて、実際に書いてみよう
  【家訓作成編】
   16章   家訓はそもそも必要か(1)
        家訓はそもそも必要か(2)
        家訓はそもそも必要か(3)
        家訓はそもそも必要か(4)
   17章   時代とともに変わる家訓(1)

  【ファミリーヒストリーづくりに役立つ本】
        家訓編一覧

  【調べてみたらこうなった−家族史づくりの意外な効果編】
   その1   歴史が妙に身近に思えてくる(前)
        歴史が妙に身近に思えてくる(後)
   その2   多様な歴史観を持てるようになる(上)
        多様な歴史観を持てるようになる(中)
        多様な歴史観を持てるようになる(下)


   以降随時追加更新