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お知らせファミリーヒストリーの調べ方』

 【家伝記作成編】
 11章  所属部隊の情報を調べる



 軍歴照会で先祖の具体的な軍歴を知ることができたら、次は所属部隊に関する情報を集めましょう。

 これに関しては、多くの部隊について、当時の作戦内容などを記録した隊の正史とも言えるような本が刊行されています。また、部隊ごとに戦友会があって、当時の隊員たちによる「回想録」のような本も出ています。これらは国立国会図書館や都道府県立の公共図書館などに所蔵されています。

 特に、陸軍については、召集が地域ごとに行われていた関係で、「郷土部隊」とも言われていました。そのため、都道府県立図書館の郷土資料のコーナーに行けば、その地域の郷土部隊に関する資料がかなり収集されているはずです。

 軍歴だけを見ていても、戦後生まれの人間には何が何だかさっぱりわからない、というのが最初の段階での印象だと思います。

 しかし、部隊に関する資料を読んでいくうちに、先祖の体験した風景のようなものがイメージできるようになると思います。

 私の祖父の場合、実は日中戦争は二度目の軍歴で、最初は大正末期、東京の近衛歩兵第三連隊に所属していました。いわゆる「近衛兵」です。こちらの方がわかりやすいので、こちらで説明していきましょう。

 近衛歩兵第三連隊については、『近衛歩兵第三連隊史』(近歩三史刊行委員会編、昭和60年3月発行)が、東京の国立国会図書館に所蔵されています。

 最初は、近衛兵と言われても、戦後生まれの私には何もわからなかったのですが、これを読んでいくうちに様々なことがわかってきました。

 祖父の兵籍簿を見ると、大正12年の9月2日から11月15日まで「戒厳地域内に於いて戒厳に関する勤務に従事す」と記載されていました。

 これを連隊史と突き合わせると、9月1日に起きた関東大震災の翌日、東京に戒厳令が敷かれ、11月まで隊として治安維持や復興支援活動に従事した、と書かれています。東京は二分され、北東方面を近衛師団、南西方面を在京郷土師団が担当したようです。

 東日本大震災時、復興支援に当たった自衛隊員の様子がテレビでもよく報じられましたが、同じようなことを20歳そこそこだった祖父は関東大震災時にやっていたということですね。

 このようにして、先祖の軍歴と所属部隊の当時の行動記録を突き合わせて見ていくと、具体的な活動内容がわかってくるのです。

 所属部隊の情報については、国会図書館や全国各地の公共図書館でわかると思いますが、より詳しく調べたいという方は、以下の専門図書館(団体)をたずねてみるといいでしょう。

 防衛省防衛研究所史料閲覧室 作戦記録など軍関係の公文書を保管
 靖国偕行文庫 靖国神社内にある。戦記、部隊史、関係者の回想や伝記などを所蔵
 昭和館図書室 戦記、部隊史、関係者の回想や伝記などを所蔵

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  ◆『ファミリーヒストリーの調べ方』 目次

   はじめに ファミリーヒストリー調査はここまでと割り切ればそれほど難しくない
   1章   ファミリーヒストリーとは何か
   2章   どこで割り切るか−目標の設定
  【家系図作成編】
   3章   戸籍を取る
   4章   墓碑銘を調べる
   5章   同時に戒名を記録しておく
   6章   代行業者に委託する際のポイント(上)
   7章   代行業者に委託する際のポイント(中)
   8章   代行業者に委託する際のポイント(下)
  【家伝記作成編】
   9章   兵籍簿を取り寄せる−戦争体験を残す一級史料
   10章     軍歴照会の方法
   11章    所属部隊の情報を調べる
   12章   親族にヒアリングする際のコツ
   13章   街は家族の生活の舞台、その成り立ちを知る
   14章   家伝記はデジタルデータで作ろう
   15章   目次を考えて、実際に書いてみよう
  【家訓作成編】
   16章   家訓はそもそも必要か(1)
        家訓はそもそも必要か(2)
        家訓はそもそも必要か(3)
        家訓はそもそも必要か(4)
   17章   時代とともに変わる家訓(1)

  【ファミリーヒストリーづくりに役立つ本】
        家訓編一覧

  【調べてみたらこうなった−家族史づくりの意外な効果編】
   その1   歴史が妙に身近に思えてくる(前)
        歴史が妙に身近に思えてくる(後)
   その2   多様な歴史観を持てるようになる(上)
        多様な歴史観を持てるようになる(中)
        多様な歴史観を持てるようになる(下)


   以降随時追加更新