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お知らせファミリーヒストリーの調べ方』

 【調べてみたらこうなった−家族史づくりの意外な効果編】
 その1 歴史が妙に身近に思えてくる(前)



 家族史がわかると、いったいどうなるのでしょう。

 私の場合、「戦前」と「戦後」ぐらいに意識が変わりました。

 もちろん、純粋に「先祖のことがわかって良かった」ということが第一にあります。

 ただ、それだけではありません。事前には予想できなかった、様々な変化が起こりました。そのために大きく意識が変わったのです。

 ここでは、そのような家族史づくりの意外な効果の数々についてお話していきましょう。


 まず、その第一にあげられるのが、歴史が妙に身近に思えてくること、です。

 家族史を調べると、いままで他人事のように思っていた歴史に、実は家族が巻き込まれていたんだということが見えてきます。
 
 考えてみてください。日本史の教科書で、「徳川慶喜が大政を奉還した」と習ったとしても、まあ自分とは関係のない世界の話です。どこかでそんなことがあったんだろうな、ぐらいの認識ではないでしょうか。

 それが、自分の先祖が明治維新の際にどこで何をやっていたかが見えてくると、「大政奉還」=「ああ、その頃はうちのひいひいじいちゃんがどこそこで何をやっていた頃だ」とか、「ひいひいばあちゃんがどこそこからうちに嫁いできた頃だ」などとイメージできるようになります。

 明治維新に始まる社会の変化は、武家はもちろんのこと、農家や商家の暮らしも大きく変えていくことになります。その変化が具体的な我が家の出来事としてわかるようになる。それはつまり、歴史と自分とのつながりが見えてくるということです。このことで、歴史が他人事から自分事になるのです。

 そうなると、当然、歴史の見方が変わってくるであろうとは、おわかりいただけると思います。

 我が家ではこういうことがありました。

 私の祖父は、おばたちから「昔、近衛兵だったんだよ」と聞きました。ただ、「いつ頃、どの師団にいたの?」と聞いても、「詳しい話はわからない」といった風だったので、兵籍簿を取得して確認したところ、近衛歩兵第3連隊に所属していたことがわかりました。(軍歴照会の具体的な方法については、10章軍歴照会の方法参照)

 その後、この近衛歩兵第3連隊について詳しく調べてみると、なんと、あの2.26事件の決起部隊でした。

 祖父が所属していたのは、大正末期の関東大震災前後のことなので、もちろん直接、事件に関わったということではないのですが、それにしても、祖父にとっては、腰を抜かすほどの大事件だったに違いありません。おそらく、事件が完全に終結するまでの間、気が気ではなかったと思います。

 私自身、それまでは2.26事件といっても、正直、教科書に出てきたな、ぐらいの認識でしかなかったのですが、祖父の所属していた部隊が決起したと知って、自分とのつながりを意識するようになりました。

 今後、ドラマや歴史番組でこの事件のことが取り上げられるたび、「祖父が所属していた部隊」ということで、特別、意識して見るようになると思います。 (後編に続く)

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